デザインの瞬間

この解説は、何年も前に知人に「デザイナーの仕事」を説明したときに用いた例です。
あくまでも私が考えるデザインの一面です。

 

●情報の伝え方

 

「箱がずらりと並んでいる」ということを表現をしてみた。

 

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整然と並んでる状態。これも意図的であれば「設計されている」と言えなくもないが、この時点はただの「データ」「素材」でしかない。

ただ整頓しても人はなかなか気にしてくれない。
気にしてくれず、素通りされてしまってはとても寂しくてせつないのだ。
そこでちょっと「事件」を起こしてみる。

 

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整然と並んだ状態の一か所を崩す。ある意味、隙ができて気になってみてしまう。気にしてもらって見てもらえたらこっちのもの。1つ箱を犠牲にして「箱がずらと並んでいる」という情報伝わったのだ。
伝えたい情報をより多くの人に伝えるためにデザイン[設計]したわけ。
これではまだ「弱い」かもしれない。しかも一か所ずらしただけでは、点線の一部がずれただけにも見えるかもしれない。
そんな心配があるので、こんなことをしてみる。

 

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ずらした一か所を傾け、色を付ける。そうすれば「強く」なるし、「点線ではなく四角だ」という情報が明確になる。情報を明確にし、よりしっかり伝わりやすくデザイン[設計]したのだ。機能をはたすだけではなく、傾けた角度、色の意味合い等をしっかり配慮して、美観的にもよりよいものになれば、よりよいデザイン「設計」になっていくと思う。
こんなシンプルのたとえ話でも考えることはタクサンあるのだ。
そして、どういう印象を持たせたいかも重要だ。発信者の個性も考えないといけない。スッキリ伝えたいのか、スマートに見せたいのか、ドッシリとパワフルに伝えたいのか。豪華にみせたいのか。
そしてこんな仕上がりにしてみる。

 

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これは当初の目的次第では「やりすぎ」であるかもしれない。
誰のものを誰にどんな風に、いつ伝えたいか。それをしっかり考えてデザインしないといけないと思う。


 

●文でやってみる。

 

同じようなことを文章でやってみる。

 

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この情報をどう伝えたいのか、どこを一番伝えたいかで、デザインは変わってくる。あくまで先の「箱」の例になぞってやってみる。
「猫の口」ということを印象づけることを狙って設計してみる。

 

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はい。箱のときと同じことをやってみた。こうするとみる人に「猫」と「口」がまず目に入っていくはず。「猫の口の話かな?」とまんまと誘導できるかもしれない。
さて、ポイントを変えつつ、ぐっとデコレーションを施してみる。

 

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「好」と「猫」にポイントを移したので、見る人はこんどは「猫が好きなんだな」、あるいは「好きな猫の話かな」という印象を持ったうえで読むことになる。
さらにイラスト的な処理を施すことで「楽し話題だな」と思ってくれる。まさか猫との別れの話だと誤解することはないだろう。

デザインという仕事は単に美観的にかっこいい仕上がりを目指してるわけではなく、「誰にどんな風に、どんな印象で伝えたいか等」をしっかり考え、作戦をたててデザイン[設計]していくのです。